WiiやPS3全盛期にハードオフで動作確認済みジャンク品として購入したプレーステーション2、1,2年前から電源が入ったり入らなくなったりで一度分解はしてみたものの分からず放置していましたが、今になって少し気になったので再度状況を確認することにしました。
分解をするとメーカー保証が受けられなくなります。特に初期型以外のPS2は「開封厳禁」のシールが本体に貼られており、シールを剥がすと「開封済み」に変わり、どのような状態であっても保証が受けられなくなります。
また、分解作業中に思わぬ事故や部品を壊したりする恐れもあるため、自己責任でお願いします。何かあっても責任は持てません。
型番違いのPS2や同型のPS2であっても生産時期により使用してる実装してる部品や回路が異なる場合があります。また、今回の作業は部品交換によるハンダ付け作業を伴います。
なお、メーカーの修理受け付けは既に終了してるもよう。
原因がはっきり特定できないまま作業を進めましたが、電源基板に付いてる疑わしい電解コンデンサーを交換したところ電源が入りゲームがプレイ出来ました。
結果的に電解コンデンサーが原因でした。
修理するプレステ2の症状
PS2の型番
- SCPH-50000
- 消費電力39W
同じSCPH-50000でも消費電力が39W品と32W品があるらしいです。
このPS2購入した当時はDVD+RWの再生に対応してることから、この型番を選んで中古(動作済みジャンク品)を探してました。
壊れたプレステ2の症状ですが、電源が入りません。インジケーターのLEDも消灯したまま。
1,2年前は電源が入らなくても電源の元のスイッチON/OFF繰り返したり、通電させたまま放置してるとLEDが赤く点灯して電源が入りましたが、今回派全くダメです。
中学の頃に購入した初代プレステも、数年後に電源が入らなくなり、たまたま持ってた動作してるPS1の電源基板を電源が入らないPS1に移したら動作した経緯があるので、今回のプレステ2も電源基板が怪しい感じがします。
PS2分解に使用したドライバー
電源基板を取り外すだけなら「プラス#2」ドライバーだけで大丈夫です。
今回、分解ついでに内蔵電池の交換もしたので、精密ドライバーの「大・小」も必要でした。
内蔵電池の交換にはメイン基板に付いてる放熱板を外す必要があり、鍋ネジ皿ネジ混在で微妙にネジのサイズが違うので、ここに精密ドライバー「大・小」を使用します。
ちなみに、セリアで購入した精密ドライバーセットの「#00」は小さすぎてネジに合わなかったので、これより少し大きめな精密ドライバーがいいでしょう。
とりあえず内蔵電池を交換
プレステ2の分解はブログやYouTubeに載っているので割愛。
ここのブログが写真が多く情報も分かりやすいので参考になりました。
分解は自己責任ですが、コントローラー・メモリーカードの基板やFANのケーブルなど細かい配線がくっついてるので注意しながら。メイン基板と繋がってるフレキシブルケーブル(フラットケーブル)断線したら、実機をもう1台用意しないとお手上げになります。
メイン基板の放熱板を外したら内蔵電池が顔を出した。
電池ホルダーにコイン電池(ボタン電池)が入ってるのが良心的でいいです。コイン電池はCR2032、いくつか持ってるので直ぐ交換です。
PS2「SCPH-50000」の電源基板の状態
内蔵電池の交換しての流れで電源基板の状態を見てみます。
コンデンサーの液漏れかは判断つかず
プレステ2に限らず電源周りの故障でよくあるのがコンデンサーの不良とのことらしいので、コンデンサーをじっくり観察してみます。
見たものの液漏れがあった形跡はなし…と言いたいのですが実際に液漏れを見たことが無いので、液漏れしたかしてないのか分からない。
コンデンサーの液漏れは、コンデンサー天面の防爆弁漏れ出すイメージなんですが、実際は他にも症状あるんですかね・・・
コンデンサーを後回しにして他の部品を見ることにします。
電源コネクタとヒューズをチェック
ヒューズは目視で切れてないのを確認しましたが、念のためテスターで導通チェックもしましたが問題なし。
入力電源の電源コネクタの接触不良も考えましたが、電源ケーブル挿して通電すると電源コネクタに交流100Vが来てるのでこっちも問題なし。
電源基板の出力電圧をチェック
基板裏の出力コネクタのパターンを見るとプラス2本、GND2本あります。2本のプラスは同じパターンから来てるようで、恐らくパソコンの電源ユニットのように電流が多く流れるので複数使ってるのではと思います。
メイン基板への出力電圧をテスターで調べると電圧が0Vで来てない。何ボルトか分かりませんが、ここは直流の電圧が出力されると思います。
後で調べて分かったのですが、SCPH-50000は内蔵HDD搭載可能な機種なので12V出力だそうです。
テスターで何処を確認したらいいか分かってないので、ぱっと見で分かるトランスの出力電圧も測ってみます。
0Vで出力ありませんね。
トランスが故障かと疑い、どうしようか途方に暮れてます…
やっぱりコンデンサーが怪しい
確認するところが無くなったので、とりあえず付着してる埃をエアダスターで飛ばして基板の掃除をします。
もっと確認するところあるのでしょうが、この時は何処を調べたらいいか分からないし、100V扱ってるから基板の裏面をテスターでチェックするときにショートも怖いと、確認するまで頭が回らなかったので、修理完了して思うとコンデンサーの所の電圧とかもっと調べられたと思います。
エアダスターで埃を飛ばしてたらコンデンサーに付着した埃が取れないので綿棒使って取ってみることに。
コンデンサーにホコリがくっついてるような感触があり綿棒が黄土色に。
コンデンサー表面のフィルム全体を綿棒で拭きとってたら汚れてる。
もしかしたら、このコンデンサーが液漏れしていたのではないか疑いました。
SCPH-50000の電源基板に実装してる電解コンデンサーの一覧
怪しいと思われるコンデンサーを交換する前に、PS2「SCPH-50000」の電源基板に付いてるコンデンサーのメーカーと定格に付いて調べたので、ここに書いておきます。
大中小とありますが、4種類5個あります。
PS2の型番違いや同じ型番でも生産時期により部品が変わってる場合があるので、ここに書かれてる内容をうのみにせず、ご自身ので確認してください。色々、自己責任な内容となるので何かあっても責任は持てません。
定格はメーカーカタログ(データシート)やDigKeyを参考にデータシートに必要そうな項目も書いていますが、現在同等品が無い場合などで見つけられない部品は類似した部品を参考にしてます。
また、PS2 SCPH-50000の発売日が20年前になるので、同じ定格のコンデンサーが現行品であっても仕様が変更になってる可能性もあるので、あくまで参考値です。
静電容量の「マイクロファラッド」は[uF]ではなく本来の[μF]で表記します。
日本ケミコン 220V 470μF
- 日本ケミコン製
- KMHシリーズ
- ACKMH220471Y 31QO58(31Q058?)
- 220V
- 470μF
- 105℃
- 直径Φ35.4mm(実測)
- 高さ約20mm(実測)
メーカーのデータシートにKMHシリーズに「220V,470μF」がラインナップされていません。Googleで検索するも出てこないので特注品?かもしれないです。
現行データシートから類似品
メーカー | シリーズ | 定格電圧 | 静電容量 | リップル電流 (120Hz) | リップル電流 (100kHz) | tanδ (max) | インピーダンス | 温度 | 寿命 | 直径D [長さL] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本ケミコン | KXJ (リード) | 220V | 470μF | 1785.0mA | 4016.3mA | 0.20 | – | 105℃ | 12000時間 | Φ18.mm [50mm] |
日本ケミコン | LXM (スナップイン端子) | 220V | 470μF | 1450mA | 2175mA | 0.15 | – | 105℃ | 7000時間 | Φ30mm [27mm] |
※DigKeyとデータシートで確認。上記データは2023/10現在の仕様です。
同じ定格電圧で静電容量は「KXJ」と「LXM」があったので参考程度に。
PS2の一番大きいKMHシリーズのコンデンサーは高さ20mmと低いので、コンデンサー選定するときは高さにも注意する必要がありそうです。
日本ケミコン 16V 1500μF
- 日本ケミコン
- KYシリーズ
- 16V
- 1500μF
- 105℃
- 直径Φ12.9mm(実測)
※2個あります
こちらは日本ケミコンの現行データシートにありました。
メーカー | シリーズ名 | 定格電圧 | 静電容量 | リップル電流 (120Hz) | リップル電流 (100kHz) | tanδ (max) | インピーダンス | 温度 | 寿命 | 直径D |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本ケミコン | KY | 16V | 1500μF | 1.14A | 1.9A | 0.16 | 35mΩ | 105℃ | 10000時間 | Φ12.5mm |
※DigKeyとデータシートで確認。上記データは2023/10現在の仕様です。
2個並んでるので、交換用コンデンサーの選定には直径にも注意が必要です。
Lelon 16V 220μF
- Lelon
- RXKシリーズ
- 16V
- 220μF
- 105℃
- 直径Φ6.5mm(実測)
液漏れしたコンデンサーではありませんが、台湾製ということもありに交換してます。
台湾メーカーのLelon製コンデンサーです。現行品に「16V,220μF」がありません。近い値で「16V,270μF」「16V180μF」がありました。
メーカー | シリーズ名 | 定格電圧 | 静電容量 | リップル電流 (120Hz) | リップル電流 (100kHz) | tanδ (max) | インピーダンス | 温度 | 寿命 | 直径D |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Lelon | RXK | 16V | 270μF | 291mA | 415mA | 0.16 | 200mΩ | 105℃ | 3000時間 | Φ8mm |
Lelon | RXK | 16V | 180μF | 231mA | 330mA | 0.16 | 270mΩ | 105℃ | 2000時間 | Φ6.3mm |
※DigKeyとデータシートで確認。上記データは2023/10現在の仕様です。メーカー名、Mouser Electronicsだと「Lelon」ですがDigKeyだと「surge」で載っています。
Lelonというメーカーは聞きなれなかったのですが、コンデンサー表面のフィルムに書かれてるロゴマークから以下のサイトを参考にしました。
2000年代前半にパソコンの質の悪いマザーボードが出回った時に、このLelonのコンデンサーが実装されていたそうです。
このコンデンサーに隣接する部品との隙間が狭いので交換するコンデンサーの選定には直径にも注意する必要があります。
隣り合う部品との間隔は2.5mmほど。
実装されてるコンデンサーの直径はΦ6.3mmだと思いますが、Φ8mmは大丈夫だとしてもΦ10mmは厳しそうです。
実際、Φ8mmのコンデンサーに交換して干渉なしでした。
Lelon 35V 22μF
- Lelon
- RXKシリーズ
- 35V
- 22μF
- 105℃
- 直径Φ5.1mm(実測)
今回、怪しいと思われるコンデンサー
メーカーの現行データシートに「35V,22μF」が無かったので、値が近い「35V,27μF」のデータになります。35Vに18μFはありませんでした。
メーカー名 | シリーズ名 | 定格電圧 | 静電容量 | リップル電流 (120Hz) | リップル電流 (100kHz) | tanδ (max) | インピーダンス | 温度 | 寿命 | 直径D |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Lelon | RXK | 35V | 27μF | 91mA | 165mA | 0.12 | 720mΩ | 105℃ | 2000時間 | Φ5mm |
※DigKeyとデータシートで確認。上記データは2023/10現在の仕様です。メーカー名、Mouser Electronicsだと「Lelon」ですがDigKeyだと「surge」で載っています。
修理後の結果から、このコンデンサーが電源が入らない原因だったので、もう1つのLelon製コンデンサーを交換することにします。
怪しいと思われるLelon製コンデンサーを交換
怪しいと思われるLelon製のコンデンサーの交換部品を調達する前に、手持ちに合いそうなコンデンサーがあったので、間に合わせですがこいつに交換して動作検証してみます。
- ルビコン
- PKシリーズ
- 35V
- 47μF
- 85℃
これでPS2の電源が入り直ったら同じ定格の105℃コンデンサーに交換する予定です。
10年ほど前に電子工作始めるにあたり、調べたらよく使いそうなコンデンサーいくつか出てきた中の一つ。10個入りとかで買ったと思いますが、ほとんど使用してないです。
この怪しいコンデンサー、基板裏からハンダを取り除いて外したいのですが、足を曲げてハンダ付けされてます。
曲げた足の部品を取るの苦手なので、幸いコンデンサーが基板から少し浮いているのでニッパーで足をちょん切ることにします。
ニッパーで足をちょん切ったら、基板裏面にハンダを足してはんだ吸取り器(手動)で切り取った足ごと吸取ります。
部品を取り除いた。
はんだ吸取り線はランドごと剥がしたりと苦手なので、はんだ吸取り器だけで済ませたいです。
取り外したコンデンサーの底面を見てみると、何やら液漏れしたような形跡があります。
表面のフィルムも素手で触ると少しべたつくので本当に液漏れをしていたのかもしれないです。それにしても、底面から液漏れするとは。
実は、1年ほど前に、ボンッと小さな破裂音の後にシューっと音がして香ばしい匂いが部屋中に漂ったことがありましたが、古い無線LANルーターやスイッチングハブのコンデンサーを疑っていたのですが、今になって思うとプレステ2のこのコンデンサーが原因だったかもしれないです。
手持ちの代用のコンデンサーを取り付けます。
コンデンサーを取り付けてハンダ付けしたので、電源繋いで電源基板からの出力電圧を測ります。
電源基板の出力電圧をチェック
こんな風にして電圧を測定。電圧測定しながら写メはショートが危ないのでその写真は撮ってないです。
- 11.67V
SCPH-50000番台は出力電圧12Vらしいので、少し低いですが電圧が出ました。電源基板がダメになる前は問題なく動いていたので、PS2に組み付ければ動きそうな予感。
テスターでコンデンサーの容量を測定
持ってるテスター「sanwa PM3」はコンデンサーの容量も200μFまで測れるので、外したコンデンサーの容量を測りました。
11.80μF。
カットした足が短く測定が難しかったので、数値が少し前後するものの11.80μF辺りです。
測定中はの数値は若干上下しながらこの値になりました。数値が高止まりしたと思ったら6μFぐらいに落ちます。そしてまた徐々に数値が上がっての繰り返しで不安定です。
交換したルビコン「35V 47μF」と同じコンデンサーも測りましたが、こちらは数値が落ちることなく安定してます。
電源が入らなかったトラブルはコンデンサーの容量抜けていたのが原因だったみたいです。
PS2コンデンサー交換で電源が入った
ここからが本番、電源基板の出力電圧が出ても上手く動作できるか…
組み立てなおして電源をON。
おお、電源LEDランプが赤く点くじゃないですか。これは起動も出来るかもしれないと期待!!!
映像ケーブルも繋いで動作チェック。
何故か手元にあった苺ましまろのゲーム。
起動画面が出てゲームも出来る。コントローラー・メモリーカード基板のフレキシブルケーブルの接続も問題ないもよう。
そのほか、グランツーリスモ4や電車でGO3付属の新幹線体験版もプレイ。新幹線体験版はCD-ROMなのでDVDとCDの読み込みどちらも正常。
電源ONにしてLEDが赤く点灯する瞬間が一番ドキドキでした。
電源系以外はおかしな症状は出てなかったので、画面に映像出してゲームプレイの最後はあっけなく終了した。
原因を特定できないまま「このコンデンサーが怪しい」と決めつけて作業を進めてきましたが、偶然にも上手くいって良かったです。
「犯人はお前だ→違った」にならなくてよかった。
コンデンサーが原因と分かったので、今は容量大きめの47μFを使っていますが、同じ定格に合うコンデンサーを選定して交換します。
もう1つのLelon製コンデンサー「16V 220μF」も交換しときましょう。今は正常に動いてても同じLelon製コンデンサー「35V 22μF」の二の舞になる前に。
部品調達してLelonのコンデンサーを交換
地元に電子部品のお店はマルツパーツしかないので、マルツパーツで代用するコンデンサーを探しました。
WEBから店頭在庫も確認できて便利です。
マルツはDigiKeyの代理店になっているのでDigiKeyの取扱品も購入できますが、商品カテゴリーがマルツ在庫と別カテなのが注意です。
以前何回か利用したことのあるマルツ通販、DigiKeyの商品納期はマルツ在庫と異なりますが注文と梱包、発送は同じになります。
WEBでチェックしてお店に行って交換用の電解コンデンサー買ってきました。
2種類各3個で合計6個。
2個は交換するので、残りは予備として保管します。
PS2実装してる日本ケミコンの電解コンデンサーは、同じような性能のがお店に無かったのと、意外と値段がするので、改めて通販で予備部品として買おうかと思います。
PS2電源基板に実装されてたコンデンサーと静電容量は同じですが定格電圧(耐電圧)少し高いのを選びました。
今回のハンダ付けはデジカメのマクロ機能で撮影しました。
Lelon16V220μFの交換部品に日本ケミコンKZH
表の項目、赤色太字は交換前のコンデンサー、黒色太字は交換したコンデンサー、青色太字は候補に上がったコンデンサーです。
現行データシートに同一品が無いので、類似品も参考に
メーカー | シリーズ名 | 定格電圧 | 静電容量 | リップル電流 (120Hz) | リップル電流 (100kHz) | tanδ (max) | インピーダンス | 温度 | 寿命 | 直径D |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Lelon | RXK | 16V | 220μF | – | – | – | – | 105℃ | – | Φ6.5mm (実測) |
Lelon | RXK | 16V | 270μF | 291mA | 415mA | 0.16 | 200mΩ | 105℃ | 3000時間 | Φ8mm |
Lelon | RXK | 16V | 180μF | 231mA | 330mA | 0.16 | 270mΩ | 105℃ | 2000時間 | Φ6.3mm |
日本ケミコン | KZH | 35V | 220μF | 450mA | 900mA | 0.12 | 62mΩ | 105℃ | 5000時間 | Φ8.0mm |
ルビコン | ZLH | 16V | 220μF | 270mA | 540mA | 0.16 | 94mΩ | 105℃ | 6000時間 | Φ6.3mm |
日本ケミコンのKZHの35V220μFを購入。直径Φ8.0mmと一回り大きいですが、隣接する部品との隙間が約2.5mmあるので大丈夫だろうと思いで選びました。
なお、KZHの「35V220μF」は生産終了予定品になってるのでいずれ無くなるかもしれないです。
地元のマルツ店舗だと、代替コンデンサーは日本ケミコンしか置いてませんでしたが、通販を利用する場合はルビコンのZLHも良さそうな気がします。
ルビコンの「ZLH 16V220μF」はマルツ経由DigKey以外にもマルツ通販の在庫もあります(2023/11/4現在)
Lelon35V22μFの交換部品に日本ケミコンのKZE
現行データシートに同一品が無いので、類似品も参考に
メーカー名 | シリーズ名 | 定格電圧 | 静電容量 | リップル電流 (120Hz) | リップル電流 (100kHz) | tanδ (max) | インピーダンス | 温度 | 寿命 | 直径D |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Lelon | RXK | 35V | 22μF | – | – | – | – | 105℃ | – | Φ5.1mm (実測) |
Lelon | RXK | 35V | 27μF | 91mA | 165mA | 0.12 | 720mΩ | 105℃ | 2000時間 | Φ5mm |
日本ケミコン | KZE | 50V | 22μF | 95.2mA | 238mA | 0.10 | 340mΩ | 105℃ | 2000時間 | Φ5mm |
ルビコン | ZLH | 50V | 22μF | – | – | – | – | 105℃ | 6000時間 | Φ5mm |
日本ケミコンのKZE「50V22μF」を購入。こちらも生産終了予定品となってるので無くなるかもしれないです。
こっちも通販使えるならルビコンのZLHも候補に上がると思います。ただ、マルツ経由のDigKeyで納期30週ほどです(2023/11/4現在)。
余談、日本ケミコンの電解コンデンサー系統図
仕様の確認で日本ケミコンのホームページを見ていたら電解コンデンサーの系統図があったので、生産終了予定品の代替品を探すのに利用できるかもしれないです。
コンデンサー交換
Lelon16V220μFから交換します。
コンデンサーの足が真っすぐ伸びているので、ハンダを盛ってはんだ吸取り器でハンダを除去したら簡単に抜けました。
日本ケミコン「KZH 35V220μF」の部品を装着。直径Φ8mmのコンデンサーですが隣接する部品との干渉波問題なし。
糸はんだはgootの鉛フリーはんだ「SF-A0406」を使用していますが、コンデンサー外すのにハンダを溶かす時も新しいコンデンサーにハンダ付けする際も、ハンダの乗りが悪かった、スッと行かない。
ハンダの状態をデジカメで撮って確認。
う~ん、リード線にハンダがのってないような感じ。
角度を変えてもう1枚。光の当たり具合かな、問題ないようにも見えるので、もう1つのコンデンサー取り付ける作業にかかります。
持ち合わせのコンデンサーで動作確認したルビコンのこいつも外します。
足を残したままハンダ吸取り器でハンダを取り除こうとしましたが、無理に足を外そうとするとランドごと剥がれそうなので無理でした。
なので、コンデンサーの足をカットしてハンダを盛って吸取り器で足ごと除去しました。
交換用のコンデンサーを実装。
左のリードにハンダがのってない感じがするので再ハンダします。
ハンダを盛ってコテ先で温める時間少し長めにしてリード線にハンダが馴染むような感じにしたけど、お団子型にになりました。
個人的に、理想的なハンダ付けが部品の足にハンダが吸い付くように馴染んでるような感じだとは思ういます。
機械か手作業かは分からないけどプロの仕上がりのようにするのは難しいです。
コンデンサー交換して隣接する部品とのショートも問題なしだったので、動作確認します。
プレステ2電源基板の電解コンデンサーが日本ケミコンに統一されました。
改めてPS2コンデンサー交換で動作チェック
持ち合わせたの交換したコンデンサーと、もう1つのLelon製コンデンサーを日本ケミコンのコンデンサーに交換したので、まずは電源基板の出力電圧を確認します。
11.66V。
電圧出てますね、前回持ち合わせてるコンデンサーに交換した時とほぼ同じ電圧出てます。
持ち合わせのコンデンサーで動作していたので、ここまで来たらもう動作したようなものなのでPS2本体を組み立て。
電源LEDが点灯して、コントローラーとメモリーカードの読み込みも問題なし。
とりあえずDVDを再生しましたが映像も出て問題なさそうです。
というわけで、電源が入らなくなったプレステ2の修理完了です!!。
ただ一つ、待機電力時に電源基板の位置にあたる底面がほんのり暖かいです。
ドライブ側の底面を触ってみると冷たいのですが、電源基板側の底面はほんのわずかにぬるい。電源基板が逆さに、底面にあるのでそこから若干熱を感じる程度。
スチールラックの上より机の上(木材)に置いてた方がぬくもりを感じます。
電源基板のレギュレーターに大きい放熱板があるので、そこから発熱してるのかなと思うのですが、この発熱が以前からのものなのか、それともコンデンサー交換で起きたのかは分からないです。
発熱といっても、ほんのりで、ドライブ側の底面より暖かいですがそれでも肌より若干冷たく感じることもあるので、とりあえず様子見ながらで使わない時は電源の元を切っていこうと思います。