ATX電源FSP RA-750Sの分解掃除とコンデンサーの確認 | なんかいろいろ備忘録

ATX電源FSP RA-750Sの分解掃除とコンデンサーの確認

PC

2015年当時、2009年にBTOショップで購入したパソコンの電源ユニットが壊れて1万円を上限に急遽購入した電源ユニットがFSP RAIDERシリーズの「RA-750S」。たしかドスパラで7000円ぐらいだったと思います。

今は、パソコンの起動が不安定なこともあり、家のパソコンで使っていた電源「Antec NEO550C」に交換してます。

NEO550Cは家の古いパソコンの電源不調で交換した時の電源なので古いですけど、それでもRA-750購入後の2,3年後に購入したので、家の中では新しい電源です。

それで、最近プレステ2の修理でコンデンサーを交換で、コンデンサーメーカーを調べてたら電源ユニットのコンデンサーも気になり、電源内部の埃も溜まってたので分解して掃除するついでにコンデンサーも調べようと思います。

ホコリも溜まっていることだし、分解してコンデンサーを確認するついでに掃除もすることにしました

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FSP RA-750Sを分解

いつものことですが「分解は自己責任」です。当ブログは分解で生じたいかなる事故やケガ、トラブルなど責任は持てません

PC電源ユニットはプレイステーション2の電源とは違い大電力なので、特にコンデンサーは電源を落としても電気(電荷)が溜まっているので感電に注意して作業します。

今回は中の掃除とコンデンサーの確認のみ。見るだけで基板まで取り出したりはしません。

外箱に「一次側に日本メーカー製105℃コンデンサー採用」の説明があり、二次側も105℃ですがどこのメーカーか気になります。

電源の型番は「RA-750S」、末尾にSが付き2014年12月に発売した製品です。

ブログやYouTubuの動画でPC電源の分解を見てるとファン側の面のネジを外してるのですが、この電源はサイドに2ヵ所ずつ合計4か所のネジがあります。

ファンのネジを外しても中のファンが外れるだけで本体は分解でき無いので注意です。

1ヵ所シールが貼られネジが隠れてます。「シールを剥がすと保証が無効になる」系の警告メッセージです。

サイドのネジを4ヵ所外したもののビクとも動かない。

若干動く気配があるものの開かない。

引いてダメなら押してみるの要領で、開いたケースを戻すように閉じると全体が動いた感触。ツメや接着剤で固定されてる感じはなく普通に上に持ち上げるだけで開きそうだけど開かない。

マイナスドライバーを使って何とか外せそうな感じはあるものの、開いてる反対側が開かない。

「開いてダメなら閉じてみる」も試して何とか頑張りつつ試行錯誤。

あと少しで開きそうな感じではある。

何とか基板が見える所まで開いた。

やっと外れた。ケースの天面と底面のパーツがピッタリと密着し過ぎて固かっただけでした。

何とか開いたけど、開け方のコツはつかめないまま。

力ずくとまではいきませんが、ごり押しで開いた。

まずは、エアダスター、使い古しの歯ブラシ、掃除機を使って内部を掃除をしましょう。

エアダスターで全体や部品の隙間の埃を飛ばしつつ、歯ブラシでケーブル類やケース、ファンに付着してる埃を取り除きます。歯ブラシを使うときは電子部品(特にコンデンサー)に触らないように注意します。

エアダスターのスプレー缶は使って缶が冷えると噴き出しが弱くなるので2本使用してます。缶が常温に温まると噴き出しが戻るので、その間もう1本の缶を使ってるのですが、2本でも間に合わないので3本は欲しくなった。

埃が舞い上がらないように掃除機で吸わせながら作業しました。

エアダスターには可燃性ガスの製品もあるので掃除機で吸わせるのは注意が必要です。

だいぶ綺麗になったんじゃないですかね。

こうして見ると基板の中のパーツがスッキリしてます。FSPの電源はICチップで制御系をまとめてるので部品点数が少ないそうです。

内部の掃除を終わったので付いてるコンデンサーの確認をしましょう。

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FSP RA-750Sの電解コンデンサーのメーカー

ケースから基板を取り出さないので、見える範囲で。ケースから基板を取り出さないと判別が難しいコンデンサーは「不明」です。

同じメーカーで、シリーズ名で同じ容量と電圧が、DigiKeyやメーカーカタログがあれば参考程度に載せてます。交換するというよりは寿命時間の確認のため。

ルビコン

一番大きいコンデンサー

  • MXGシリーズ
  • ルビコン
  • 105℃
  • 450V
  • 390μF
  • 3000時間(105℃)

日本ケミコン

  • 日本ケミコン
  • KZE
  • 10V
  • 33000μF
  • 105℃
  • 5000時間(105℃)

※ラベルが分かる10V3000μFでの仕様。小さいサイズのコンデンサーも隠れてありますが、容量・電圧・寿命等は確認できません。

奥に隠れてるコンデンサーもラベルや防爆弁の雰囲気から日本ケミコンでしょうか。サイズが違うので電圧と容量は不明。

一番大きいルビコンのコンデンサーは電圧から一次側だとは思いますが、日本ケミコンの10Vコンデンサーは二次側でしょうか。

不明なコンデンサー

ケースから基板を取り外したり、部品を基板から外さないと確認が難しいコンデンサー。

縦の小さい基板横のコンデンサーから。

  • UVZ ニチコン?

「〇VZ?」「〇ZV?」と読めますがもう1文字目が小さく潰れてるようで読めないです。DigiKeyでELNAのRVZやルビコンのJZVとかもヒットしましたが固体電解コンデンサーで違いました。

写真のコンデンサーに該当しそうなのはニチコンのUVZだけのようです。

もう1つ、トランスの下にもコンデンサーが見えますが基板を取り外さないと難しいので分かりません。防爆弁の感じから日本ケミコン?でしょうか。

どっちも容量や電圧は確認が難しいです。

次に、別のコンデンサー

端の方に縦に固定されてる小さい基板のコンデンサー、これも不明です。

  • SSシリーズ?
  • 16V
  • 22μF
  • 105℃
  • Cornell Dubilier Electronics(CDE)? or Chinsan (Elite)

コンデンサーのラベルで「SS」と書いてあり、DigiKeyで現行カタログからCDE(アメリカ)とElite(台湾)が出てきました。

定格から105℃でDigiKeyで探したらCDFのコンデンサーしか出てきませんでした。

EliteのSSシリーズはメーカーカタログ(データシート)に16V22μFがラインナップされてますが、よく見ると85℃品。105℃は「SS-H」になります。

これも、基板からコンデンサーを外さないと判別に難しいかもしれません。

FSPのRA-750Sの電解コンデンサーを確認しましたが、ほとんど日本メーカーの電解コンデンサーを使っていますが一部アメリカや台湾を使ってる感じでしょうか。

メーカーや容量がハッキリと分からないコンデンサーもありましたが、基板を外さないで確認するのはこれが限界でした。

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FSP RA750Sに搭載されてるファンはY.L.製

ついでファンの型番も確認。

「Y.L. D12SH-12」。型番検索するとメーカーページが出てきます。

DC FAN SERIES, 120x120x25 - Yate Loon Electronics Co., Ltd.
Detailed information of DC FAN SERIES, 120x120x25 offered by Yate Loon Electronics Co., Ltd..

ファンのスペック

  • 12V、0.30A(300mA)
  • 2200rpm
  • 88CFM
  • 40db
  • 120x120x25mm
  • ※2線

※配線の数。メーカーページに記載されてる図と実物で確認。

風量88CFMと大きいです。

電源ユニットのファン交換の際には、排熱設計にファンの風量も考えられていると思うので、同等スペックのファンを交換するのが望ましいかと思います。

ファン端子も2線で回転数などの情報は見てないと思うし、回転数の制御も出力電圧を変えて行ってるのかなと思います。

その回転数の制御ですが、RA-750Sは過温度保護が搭載されてないので、使用電力からファンの回転数を制御していて、CPUクーラーのように温度上昇でファンの回転数を上げる制御はしてないと思います。

200Wなら○○○○rpmで回せ、400Wなら○○○○rpmで回せ、みたいな。実際、回転数は見れないと思うので厳密には「200Wなら〇Vの電圧で回せ」みたいな制御してると思います。

だとすると、ファンを交換して風量が落ちた場合、使用電力が同じ200Wでも電源内に熱が籠りやすくなるのではと思います。

電源内部に熱が溜まるとコンデンサーや他の電子部品の寿命を縮めてしまうので、ファン交換する際はファンのスペックに注意する必要がありそうです。

組み立て

内部の掃除とコンデンサーのブランドも確認できたので組み戻します。

分解した手順と逆の手順で組み立てていきますが、重ね合わせるケースのサイズがピッタリなほどきつきつなので、重なり合う順番を間違わないように注意しました。

ネジ穴が顔を出したのでネジを締めたら完了です。

動作と出力電圧を確認

PC電源ユニットに電源を入れるのにマザーボードとの接続が必要かと思われますが、マザーボード用の20pin(24pin)コネクタにある起動用のコネクタピンとCOM(GND)をショートさせても電源は入ります。

ニプロン:Q7. 出力の線の色は何を意味しているのですか?(PDF)

リンク先のPDF資料を見ると20pin(24pin)コネクタの出力配線が分かります。

起動用の緑とGNDを短絡させて、電源スイッチをONにしてファンが回ったので動作に問題はなさそうです。

テスターで各出力端子の電圧を測ってみます。

  • +12V = 12.14V
  • 5V = 5.04V
  • 5V SB = 5.00V
  • 3.3V = 3.28V
  • -12V = -11.88V

24pinコネクタから取りました。

24pinコネクタの同じ色の別のピンや、PCI-E4pinコネクタの12Vからも測ったのですが電圧は出力結果と同じなので、電流を多く流せるように複数のケーブルを使っているだけで回路的には繋がってるんじゃないかなと思います。

3.3Vと-12Vで電圧が若干低いですが、誤差の範囲だと思います。

FSPのRA-750S電源は、当時7000円ぐらいの購入で安い製品でしたがコンデンサーで見るといい部品使ってると感じました。

予備の電源ユニットとして保管

無負荷状態ですが、電源ONと各種電圧が出てるのが確認できたのでまだ使えそうな気がします。

当時、FSPというメーカーを知らずに「日本メーカーコンデンサー搭載」の売り文句で購入した電源ですが、FSPはATX電源を最初に発売したメーカーらしいですね。

BTOショップで購入したパソコン、電源の起動が不安定だったの、交換したNEO550Cでも同じ症状が出ることがありました。

電源を疑っていたのですが、最近になって使わなくなったアナログTVのビデオキャプチャーカードを外してからパソコンの起動が不安定になることが無くなったので、もしかしたらビデオキャプチャーカードが原因だったかもしれないです。

そんなわけで、分解掃除したFSP RA-750Sの電源はまだ使えそうな気もするので予備の電源として取っておこうと思います。

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