電子工作でハンダがくっ付かなかったり、基板と部品の足(リード)が接着してないイモはんだになって部品がスポって抜けたりと初心者あるあるの失敗です。
この2つの失敗の主な原因は温度が高すぎたり低すぎたりすること。
そしてこの2つを解決は温度調整機能の付いたハンダごてを使用する。
温調ハンダごてが必要なわけ
はんだ付けに最適な温度は鉛フリーハンダで「330度~360度」と言われていて、100円ショップやホームセンターで売っている安いはんだコテは温度の調整ができず知らない間に400度以上になる事もあります。
中には500度まで上がってしまう事もあり、こうなってしまうと基板のパターンも剥がれてしまいます。ICなど熱に弱い部品も壊れてしまう心配もありますね。
温調機能が無いハンダゴテだと作業中にコテ先温度が上がっていきます。上がりすぎると水を含ませたスポンジでコテ先を冷やすのですが素人が温度管理するのは難しいです。なので、温調機能付きはんだゴテなんです。
初心者のハンダ付け失敗でもっとも多いのがコテ先温度が適正ではない、なので温調ハンダごてを使用すると失敗をかなり軽減させることが出来ます。
ハンダごてメーカーである白光さんの『ハンダ付け失敗例』の原因や対策にもコテ先温度について書かれていますね。
失敗しないハンダ付けをするには
特にはんだ初心者に意識して欲しいのは、綺麗にハンダするよりも基板とリードが接着する事です。接着が曖昧だと導通してなかったりと接触不良が起きてしまいます。
仕事でのハンダ付は一定の品質をクリアする必要があるでしょう。でも電子工作で初心者なら光沢のある富士山🗻の形したハンダじゃなくてもいいんです。
ハンダ盛り過ぎのお団子になってても大丈夫です。要は、基板とリードが接着していることが大事です。綺麗なハンダ付けは回数をこなして経験を付けていけばよいのです。
☑ 失敗しないハンダの付けかた
- コテ先は寝かして面を当てる(接触面積が増えて熱が伝わりやすい)
- ハンダは基板の穴と部品の足に(コテ先に直接付けちゃダメ)
- ハンダを流し過ぎない(ハンダが流れてランドの穴が埋まったらハンダを離す)
- 当てる順番は『コテ先→ハンダ』の順に(コテ先でランドを温めてからハンダ付け)
- 離す順番は『ハンダ→コテ先』の順
僕の経験から以上の点が失敗しにくくハンダを付けるコツだと思います。慣れてくると基板のランドに吸い込まれるようにハンダが流れます。
早くくっつかないかなと「コテ先を擦る」行為はいけません。最悪ランドが剥がれてしまいます。
ハンダごてメーカーの白光さんにより詳しく『ハンダ付けテクニック』が紹介されています。
おすすめ温調はんだごて
オススメは白光や太陽電機産業(goot)ブランドのはんだコテ。ホームセンターや―電子部品専門店で手に入りやすく、替えのコテ先も入手性は高いです。
初めてのハンダごては「白光」か「太陽電機産業」から選ぶと良いです。
「白光 FX600」はダイヤル大きく温度調整がやり易い
替えのコテ先は「T18シリーズ」
僕も使っているはんだこてです。温度調整ダイヤルの摘みが大きいので作業中の微調整が容易です。慣れないうちは作業中に少し温度を高くするなど頻繁に変更します。
調整ダイヤルのメモリも320度と370度があるので鉛フリーハンダを使うのにも最適です。
保護キャップが付いていないので、保管用に別売の布製の保護キャップを買う必要があります。
※電源プラグには通常の平型と2極接地(3極プラグ)があり、家庭用コンセントで使用する場合は平型「FX600-02」を選びます。
「goot PX-201」は保護キャップ付きで保管が容易
替えのコテ先は「PX-2RTシリーズ」
白光に比べると温度調整ダイヤルは小さくマイナスドライバーで調整する必要がありますが、専用の保護キャップが付属で使用後に完全に熱を冷まさなくても工具箱に片づけることが出来ます。ただ、保護キャップをしても露出している金属リングの部分は熱いので注意する必要があります。
電子部品専門店がマルツパーツしか無いような田舎だと、交換用コテ先の入手性は白光よりgootのほうを良く見かけます。
通販ならどちらのメーカーのコテ先も入手性は容易です。
はんだごて使うのに便利なアイテム
あると便利な、ハンダ失敗したときやコテ先のメンテナンスに役立つアイテムを紹介します。
コテ先クリーナー
クリーナーがあると、スポンジに水を含ませる手間がなくなります。金属たわしなのでスポンジよりよく取れます。
※たわしタイプは温調ハンダごて専用です。温度制御できないハンダごては、コテ先の温度を下げる役割もある水を含ませる「スポンジ」を使います。
コテ台
ハンダごての電源コードは癖が強く硬いのでコテ台も重量があり安定するものを使います。箸置きのように寝かして置くタイプの簡易コテ台だと、電源コードに引っ張られて予期せぬ事故になる危険性もあるので、しっかりしたコテ台を選びたいですね。
シンプルなコテ台です。台が金属でそれなりに重量もあるので安定感はあります。
タワシとスポンジがセットになったコテ台です。これだと作業スペースの場所を取りません。
ハンダ吸取器・ハンダ吸取り線
ハンダ失敗したときにハンダを取り除くアイテムです。初心者・上級者問わず必須アイテムです。
失敗したハンダを取るときに使います。ハンダ吸い取り器とハンダ吸い取りシート両方あると便利です。
交換用コテ先
製品毎に互換性が無いのと種類が多いので各メーカーサイトをご覧下さい。
『白光 FX-600の替えのコテ先』※T18シリーズ
『goot PX-201の替えのコテ先』(製品ページに記載)※PX-2RTシリーズ
ハンダごて本体に付いてくる標準タイプの他にさまざまな種類のコテ先が用意されており、極細タイプがあるとICなど小さい部品の取り付けにも役立ちますね。
安全上から離れる時はコードを抜くか「スイッチ付きOAタップ」を使用する
家庭用で使うはんだごては基本的に電源スイッチが付いていません。電源コードを挿したままで放置すると火災の危険性もあります。
万が一を考えて、離れれるときはコンセントからケーブルを抜くようにしてください。スイッチ付きOAタップがあると便利です。
コテ先のメンテナンス
長く使うために覚えておきたいのが、コテ先のメンテナンス。使い終わって電源を抜いた後の余熱を利用してコテ先にハンダを盛っておきます。
こうすることでコテ先の酸化防止になります。
コテ先にハンダが付かなくなったら
コテ先に付けた後、スポンジなどで拭き取ります。拭き取った後はコテ先にハンダを付けて酸化防止させます。
それでも駄目ならコテ先を買い替える
コテ先はメーカーにもよりますが500円前後で手に入ります。どうしてもハンダが付かなくなったら簡単に交換できます。
写真のように簡単に分解できます。分解は十分冷ましてから、やけどに注意!
初心者は温調ハンダごてで始めると良いです
はんだ付けの失敗を少なくする一つが温調ハンダごてです。適切な温度ではんだ付けをすると失敗も少なくなります。
温調ハンダごては、白光、太陽電機産業(goot)だと替えのコテ先もホームセンターや電子部品専門店(マルツなど)で入手が容易です。
ハンダ付け温度は鉛フリーハンダで330度~360度が最適ですが、僕は330度で作業してます。手際が遅いのでこれより高い温度設定で行うと基板を焦がすこともあるので・・・
特に、ハンダが部品の足やパターンに付かない場合は温度が高い事が多いので、温調はんだごてを使うと付き易くなります。
部品の足に吸い込むようにハンダが馴染む様子を見ると気持ちいいですよ^^